『Drupal 実践プログラミング徹底入門』について『Drupal 実践プログラミング徹底入門』について

カバー
 Drupalには、一般のエンドユーザの観点から見た、使いやすく柔軟性のある高性能なコンテンツ管理システム(以下、CMSと呼ぶ)という一面と、開発者の観点から見た、多機能・高性能なウェブアプリケーションフレームワークという一面があります。Drupalのコアパッケージは、そのファイルの数もサイズも他のCMSと比較して非常に小さく、CMSとしての機能性も基本的なもののみが含まれます。しかし、その優れたウェブアプリケーションフレームワークのおかげで、日々多くのDrupal開発者が生まれ、他のCMSとは比較にならないほど多くの拡張モジュールが開発・提供され、そのCMSとしての機能性を比類なきほど柔軟で多機能・高性能なものとしています。

本書は、Drupalのウェブアプリケーションフレームワークとしての一面を徹底的に解説し、海外ではDrupal開発者のバイブルともなっている、『Pro Drupal Development, Second Edition』を日本語に翻訳した開発者向けの解説書です。Drupalのインストールの方法も、サイトを構築するための環境設定やコンテンツ作成の方法も一切掲載されていませんが、その代わりにDrupalの機能性を自由自在に拡張するために必要なあらゆる情報が、微に入り細を穿ち解説されています。海外と同様に、日本でも本書がDrupal開発者のバイブルとなることは間違いのないことでしょう。また、本書はDrupalの入門者向けでは決してありませんが、Drupalをすでに使用し、PHPに関する少しの知識があれば、入門者であってもDrupalをより深く理解するために一読しておいて損はないはずです。

 本書は、Drupalに携わる開発者はもちろんのこと、他のCMSに携わる開発者の方々にも是非一読されることをお勧めします。特に、これまで他のCMSで「単純な機能を追加するためだけに、なぜこれほどまで多くのファイルを作成し、多くのコードを書き、入力から出力まですべての面倒を見なければならないのか」と一度でも考えたことがあるのなら、迷わず本書を携え、Drupalでの開発に切り替えることをお勧めします。Drupalでは、『フック』と呼ばれるイベントドリブンのしくみを利用することにより、面倒な処理はDrupalに任せ、ロジックに集中し、わずかな量のファイルとコードで、短時間で簡単に望みどおりの機能を追加できることでしょう。

 また、PHPを学習中、あるいはこれから学習しようとしている方々にも、本書をお薦めします。はじめからスタンドアロンのアプリケーションを作成するのは困難なことですが、Drupalのモジュールを作成するのはさほど困難なことではありません。自らが作成したモジュールが、実際にDrupalで動作しているところを見るのは、学習のモチベーションを維持するのにも大変役立つことでしょう。

(「監訳者まえがき」より)